幕末から明治に名を残した人物がたくさんいながら、なぜ大河ドラマに取り上げてもらえないのか?―
これは長い間、萩の人々の疑問であり不満でもあったわけだが、これについて地元では、言い訳にも似た様々な理由がささやかれてきた。
「松陰先生にゃあロマンスがないけぇ、ドラマが面白うならんのっちゃ。(※1)」
「晋作は早う死んでしもうたからいけんそいね。あねぇ短こうちゃあ話が1年持たんわぁね。(※2)」
「桂小五郎の人生はドラマにええそに…そねぇ人気がないけぇねぇ…(※3)」
そんな諦めにも似た気持ちが蔓延していた中、まさに萩にとって悲願ともいえる大河ドラマの主役の座をゲットしたのは、なんと我らが敬愛する松陰先生!…の「妹」だった(唖然)。
「2015年NHK大河ドラマ、松陰の妹・文の生涯描く『花燃ゆ』」のニュースを聞いて、このマイナーすぎる主人公に、萩人ですら大方が喜びより先に「エッ( ゚д゚)?」と思っただろう。妹の存在自体を知らない人は多く、知っていても「何故にそこ??」というのが正直な感想だ。
とはいえ、長州大河は昭和52年の『花神』以来、実に38年ぶり。しかも萩出身の人物が主人公となるのは、昭和38年にNHK大河ドラマが始まって以来、なんと初めての快挙(?)なのだ。(※4) 明治維新も風化と言われ、観光客や修学旅行が減っていく中、特に今年はお隣り島根の出雲大社に話題をさらわれ、夏の豪雨の風評(?)被害に追い打ちをかけられるという厳しい一年を過ごしてきた萩にとって、この話題がどんなに明るい話題であったか。特に観光関係者の間ではすでに「来年から始まるのか?」と思うほどの盛り上がりようである。
制作統括は土屋勝裕氏。『篤姫』や『龍馬伝』など、大河ドラマの中でも高い人気を誇った作品に携わった人物とあって、弥が上にも期待が高まる。ちなみに嵐の松本潤さん主演で萩が大騒ぎとなった9月の特別ドラマ『はじまりの歌』のプロデューサーでもある。今思えばこの時には大河もすでに決まっていたのだろう。
「大河の主役にしては地味では」という(世間の皆様が思っていらっしゃるであろうごもっともな)指摘には、「地味ではない人を主人公にすると、ある程度ストーリーの予想がついてしまう。歴史に名を残した人の影で、懸命に生きた人に焦点を当てて描きたい」とのこと。主人公を取り巻く人々や人生、あまり知らないままドラマを見て、文とともに一喜一憂、追体験するのもいいのかも知れない。
といいながら、これから萩ナビでは関連情報をぼちぼちご紹介していく予定。まだ1年あるが、関連情報も多いのでネタには事欠かないだろう。(順調に書ければ…ね・汗)
うーん、再来年が待ちきれない!!
※1…松陰先生には恋愛話がないから、ドラマが面白くならないんだよ。
※2…晋作は早く死んでしまったからいけないんだよ。あんなに短くては話が1年持たないじゃないか。
※3…桂小五郎の人生はドラマにいいのに…そんなに人気がないからねぇ…
※4…花神の主人公・大村益次郎の生まれは周防国 鋳銭司(すぜんじ、と読む。今調べたら現在は山口市に属していた。てっきり防府市かとry)。
■NHKドラマトピックス
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