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花燃ゆ制作統括・土屋氏講演会 ② 2014/3/27(木)

花燃ゆ制作統括・土屋氏講演会 ①からのつづき

 

●ドラマの作りについて
篤姫について種明かしをすると、篤姫は少女マンガです。『赤毛のアン』『小公女セーラ』と同じように、まず主人公にハンディキャップ(篤姫の場合は分家の出)があり、学校に入ると怖い先生がいる、嫁いだ後は嫁ぎ先と実家のもめ事嫁姑問題息子への愛、そして最後は子供達に囲まれて幸せに暮らす、という構成です。
反対に龍馬伝少年マンガです。少年マンガというのは、次々と敵が現れ、それを倒し仲間にしていきます。後藤象二郎は後に手を結びますが初めは敵として現れ、ちょっと悪者に描かれます。はじめ手強い敵である方が後々手を結んだ時に感動的になるからですが、このときには子孫の方からクレームを頂きまして(笑)、もう少し待ってください、もう少ししたら手を結びますからと(笑)。ちょっとやりすぎたのは岩崎弥太郎ですね(爆)。ちょっと汚くし過ぎました(爆)。

よく『半沢直樹みたいにできないか』と言われるんですが、これは難しいです。半沢は悪い上司などがいてそれをやっつけていく、という勧善懲悪の物語です。でも、歴史には善悪はなくて立場の違いで、見る角度によって変わるからです。でも、大河ドラマの中では、わかり易くするために少し悪役的に描かれる人もいるかも知れません。

 

●タイトルについて
『花燃ゆ』というタイトルについてですが… 企画が決まって、主役のキャストが決まって、一番最後まで決まらなかったのがタイトルでした。
(「だいだいの花」「青嵐の花」「松門の花」などの候補を立てたがすべて却下され大変悩む)
松陰が門下生に書き残した「留魂録」の中に『人の一生の中には春夏秋冬がある』というのがあります。10年なら10年の短い人生の中にも、種を蒔き花が咲いて実がなる、という四季が備わっている、というものです。(松陰は『自分も三十ですでに花を咲かせ実をつけているはずである。その実が単なるもみ殻か成熟した粟かわからないが、もし同志の諸君の中に私の真心を受け継いでくれるものがあったならそれは蒔かれた種が絶えずに穀物が年々実っていくのと同じだ』というようなことを書いている)本当は「種」とか「実」とかを使いたかったのですがタイトルとして難しく、「次の世代が育てていく、一つの種から芽吹いてたくさんの花が咲いていく」というイメージから『花燃ゆ』というタイトルにたどり着いて、それはいいじゃないかということで、発表の前々日か、そのくらいに決定しました。
現存する留魂録は、明治10年に野村靖の手に渡ったものです。明治9年には萩の乱が起こり、かつての同志と戦ったり、大変な思いをしたと思います。そんな時にこの留魂録を受け取ったら、これは頑張るだろうと思いました。そうやって奮起して新しい日本を作り上げていったんだろうと思います。

●文という題材
文さんに行き当たったとき、鳥肌が立つような思いでした。
まず杉家が面白い、これはホームドラマの要素があります。そして松下村塾という学園ドラマの要素、大奥、そしてラブストーリーと、ドラマとして楽しめる要素がもりだくさんです。

●大河ドラマの描き方
大河ドラマでは色んな方から「史実と違う!」というクレームのお電話があります(汗)。
大河ドラマは歴史の再現ではなくて、僕は印象派の絵のようなイメージだと思っています。事実をそのまま表現するのではなく、どのように受け取ったのか。見る角度によっても変わってくる。ひとつの作品として楽しんでいただければと思います。 ですからあまり史実通りでないと言ってNHKに電話をかけてこないようにお願いします(会場笑)

 

■会場からの質問コーナー
Q.子役からやるんですか?
A.まだ考え中です。家族で見てもらいたい、という気持ちがあるので、そうするとやはり子供がでるとほっとするんですよね。でも早く井上真央ちゃんも見たい、という…まだ決まっていません。 アンケートで日曜の8時という のは、あー明日は月曜日だ、という憂鬱な気分になるそうですが、花燃ゆは、日曜の8時を楽しみにしてもらえる、そして月曜から頑張ろう!と思ってもらえるようなドラマにしたいと思っています。

Q.八重の桜で長州が敵役になったので、バランスを取るために長州が取り上げられたのですか?
A.いやぁ…それはないと思います。僕の企画の書き方が良かったんじゃないですかね(笑)。 企画書を上げるときはこのドラマがいかに面白いかというのを書くわけです。僕も他にいくつか企画を出してますが―これはもしかすると何年後かに僕がやるかも知れませんから何を出したかは今は言いませんが(笑)―その中で今回は花燃ゆが選ばれた、ということです。

Q.大河ドラマの主人公は男女男女の順番?
A.いや、これは企画ありきなので関係ないと思います。
今回の花燃ゆでは、篤姫、龍馬伝(これは土屋氏の企画ではないらしい)の“いいとこどり”ができないかと思ってます。

Q.萩へのロケはどのくらいありますか?
A.正直言うと…あんまりないかも知れません
ロケだと、1日撮影して放送尺(45分)のうちの7~8分しか撮れないんです。スタジオだと15分くらい、1本分を3日くらいです。ロケの場合はどうしても車が来ると「車通りまーす」で中断したり、道がアスファルトだと「砂を撒くか?」とか、電柱を(加工で)消さなければならなかったりとか、色々ありますから。 ただ、地元の皆さんの期待に応えたいなぁ、ということで、8月クランクインは萩ロケをしようということで、ただいまロケハン中です。

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ざっと覚えているところを書いてみたが、先にも述べたとおり、多分脳内変換されているところもあり、記憶が飛んでしまっているところもありだと思うので、それなりに読んでください。これも“印象派の絵のような”レポート(?)ということでご容赦を!

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